女性の活躍推進を取り組む企業への助成金制度
女性活躍推進法の一般事業主行動計画に関する事項の施行にあわせて、
両立支援等助成金に「女性活躍加速化助成金」が導入されています。
1.制度の概要
助成金の種類は2種類あります。
加速化Aコース | 加速化Bコース |
行動計画の数値目標達成に向けた 取り組み目標を達成した場合に支給 | 数値目標の達成に向けた取組目標を達成した上で、その数値目標を達成した場合に支給 |
受給できる額:30万円 (1企業につき1回限り) | 受給できる額:30万円(1企業につき1回限り) |
常時雇用する労働者が300人以下の事業主のみが対象 | 雇用する労働者数に関わりなく対象となるが、301名以上の大企業の場合は、以下の①か②のいずれかの要件を満たすこと。 ①えるぼし(女性活躍推進②を参照のこと)を取得していること ②行動計画に基づく取組の結果、女性管理職比率が上昇し、かつ |
今回行動計画の作成・届出等が努力義務となっている300人以下の企業であれば、両方のコースを申請することが
できます。法律上は義務となっていませんが、中小企業にも積極的に推進してほしいという意図ですね。
2.対象となる事業主
助成金を受給するにはいくつかの要件がありまが、主なものは以下の通りです。
①女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、届出、労働者への周知、公表をしていること
②女性の活躍状況を公表していること
③①の行動計画期間内に取組目標及び数値目標を達成していること
行動計画は、
・計画期間、数値目標、数値目標達成に向けた取り組み目標、取組実施時期を記載していること
・長時間労働の是正等働き方改革に関する取組について盛り込むこと
が必要です。
また、情報公開について、法令上は自社ホームページ等への公開で良いのですが、
助成金の申請を行う場合には、厚生労働省の「女性活躍・両立支援サイト」内の
女性活躍推進企業データベースへの公表が必須となります。
3.達成目標についての留意事項
法律上定められている数値目標については、課題分析を行い、女性活躍推進のために必要と
判断して策定したものであれば、内容について特段の定めはありません。
ただし、女性活躍加速化助成金については対象となる目標及び取組の区分は限定されています。
【支給対象となる目標、取組の区分】
①女性の積極採用に関するもの(以下のいずれか)
・採用における女性の競争倍率を引き下げる目標
・女性の採用数及び採用割合を引き上げる目標
②女性の配置・育成・教育訓練に関する目標
③女性の積極登用・評価・昇進に関する目標
④多様なキャリアコースに関する目標(以下のみ)
・通常の労働者において多様なコース区分を設け、女性についてキャリアアップに資するコース
区分への転換をさせる目標
対象となるのは「対象とする時点で」「通常の労働者」である者に限定されています。
本制度上の通常の労働者とはいわゆる正社員及び、社会通念上正規の従業員と判断できる
無期契約の従業員です。
つまり、①については対象の募集が通常の正社員であることが要件で、②~④については、
新規採用によって目標を達成したり、有期契約社員からの転換によって目標を達成した場合は
対象とならないことになります。
また、Nコースは取組目標が達成した時点で支給申請を行えますが、Aコースについては、
Nコース達成から3年以内に達成する必要があります。
数値目標や取組目標は複数計画されている場合、全てを達成する必要はなく、1つ達成すれば、
申請することができます。対象となる目標が限定はされていますが、これから女性活躍推進を
取り組む企業様にとっては何かしら該当する項目があるのではないでしょうか。
助成金申請について詳しくお知りになりたい企業様は、厚生労働省の手引きをご確認いただくか、
当事務所にご相談ください。