【無期雇用転換制度②】無期転換ルールの特例

前回は無期雇用の転換の法律について概要をご説明しましたが、今回は制度における特例をご説明いたします。

1.大学等及び研究開発法人における有期労働契約の研究者・技術者・教員

 こちらに該当する有期契約労働者は、研究開発能⼒の強化及び教育研究の活性化等の観点から、
無期転換申込権の発生までの期間原則5年を10年とする特例が設けられています。
(平成26年4月施行)
 大学等のような特別の機関ではなく一般の企業が活用できる特例としては、平成27年4月1日施行の
「有期雇用特別措置法(有期特措法と呼ばれたりします。)」がありますので、2、3でご説明いたします。

 

2.有期雇用特別措置法①高度専門職%e5%a5%b3%e6%80%a7%e7%a0%94%e7%a9%b6%e8%81%b7

 以下の「高度専門職」に該当する方は、所定の手続を行うことにより5年を超える一定の
期間内に完了する業務(特定有期業務=プロジェクト)に従事する期間は10年を上限として
無期転換申込権が発生しません。

 【高度専門職の要件】
 1)年収要件
 1年間当たりの賃金の額に換算した額が、1,075万円以上である。
 この賃金は支払われることが見込まれるものに限り、賞与や業績給など変動要素がある場合は、
 固定支給分は含むことができますが、変動部分については含むことができません。

 2)高度専門職の範囲
 以下のいずれかに該当することが求められます。
 ① 博士の学位を有する者
 ② 公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、税理士、薬剤師、 社会保険労務士、不動産鑑定士、技術士または弁理士
 ③ ITストラテジスト、システムアナリスト、アクチュアリーの資格試験に合格している者
 ④ 特許発明の発明者、登録意匠の創作者、登録品種の育成者
 ⑤ 大学卒で5年、短大・高専卒で6年、高卒で7年以上の実務経験を有する農林水産業・
  鉱工業・機械・電気・建築・土木の技術者、システムエンジニアまたはデザイナー 
 ⑥ システムエンジニアとしての実務経験5年以上を有するシステムコンサルタント
 ⑦ 国等によって知識等が優れたものであると認定され、上記①から⑥までに掲げる者に準ずるものとして厚生労働省労働基準局長が認める者

 この特例を利用するには、適切な雇用管理に関する計画を作成し、プロジェクト毎に都道府県労働局長の認定をうける必要あります。
 この要件を満たし、かつ有期労働契約の方というとかなり対象が限定されるように思いますが、
 該当するケースがある場合には、必ず認定を受ける手続きを行ってください。

 

3.有期雇用特別措置法②継続雇用の高齢者%e9%ab%98%e9%bd%a2%e8%80%85%e5%a5%b3%e6%80%a7%e4%bb%95%e4%ba%8b%e4%b8%ad

 無期転換申込権関する法律が施行された平成25年4月1日では特例は定められていませんでした。
そのため定年による退職者を有期労働契約で再雇用した場合にも、無期転換申込権が発生し、
労働者が権利を行使すると一度定年退職をしたにも関わらず、再度無期雇用にしなくては
いけなくなるということが想定されました。
 そこで継続雇用の高齢者は適切な雇用管理に関する計画を作成し都道府県労働局長の認定をうければ、
その事業主に定年後引き続いて雇用される期間は、 無期転換申込権が発生しないという特例が設けられています。
こちらの特例については事業主毎に一度申請をし認定を受ければよく、特に更新等の手続きもありません。
 ただし、注意しなくてはならないのはあくまでも「定年退職後」「同一の事業主に引き続き雇用されている」
ケースに限定されることです。(高年齢者雇用安定法に規定される特殊関係事業主は同一の事業主とみなされます。)
つまり、60歳以上の方を新たに有期労働契約で雇入れた場合は有期特措法の特例の対象にはなりませんので
就業規則等で別の定年制度(第二定年とよんだりします。)を定めるなどの対応が必要となります。
 こちらの特例については、対象となる有期契約労働者が発生する企業様も少なくないと思いますので
認定の申請について漏れの無いようご留意ください。

尚、いずれの特例についても具体的な説明が記載されている厚生労働省のパンフレットがあります。
具体的に特例対応についてお考えの企業様はそちらをご覧いただくか、当方事務所にご相談ください。

  大学等及び研究開発法人における有期労働契約の研究者・技術者・教員に関する特例のパンフレットはこちら

  有期雇用特別措置法に関するパンフレットはこちら

次回は、無期転換対応についての準備のポイントについてご説明したいと思います。