【無期雇用転換制度④】必要な準備~無期雇用社員の就業規則を作成する前に、その2~

前回、自社における雇用形態別の役割と既存の就業規則の整備についてお伝えしましたが、
無期雇用派遣の就業規則を作成するまえに、もう一つやらなくてはならないことがあります。

自社における無期雇用についての方針決定

そもそも、無期雇用の就業規則を作成しなくてはならないのか、作成するならばどういった内容とするのかを
決定するには、自社において有期から無期雇用への転換をどのように考えるかという方針の決定が必要です。
まず、大きな方針の分かれ目として「無期転換権を発生させるか否か」が考えれます。
その上で、それぞれについて考えられるパターンをまとめてみました。
※一般的に「正社員」と呼ばれる、会社のコア業務を行うフルタイム勤務の従業員を「正社員」としています。

1.無期転換権を発生させない場合
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 3年(等)としているのは、脱法とみなされる基準が不明瞭であるためです。法律の理屈上は5年までは
有期契約を活用してよいともとれますが、判例の無い現状としては無期転換権発生の期待があまり生じない
範囲で設計するのがよいというのが私個人の考えです。
 また、既に長期で有期契約を活用されている場合、既に従業員の方が「無期転換権」の発生を期待している
可能性があります。そのため新制度を適用する場合には、新たに雇い入れる者を対象として考えるべきでしょう。
 ①もパターンとして挙げてはみましたが、行う職務の違いやパートタイムの有期契約等を考えると、
現実的ではない企業様が多数と思われます。

2.無期転換権を発生させる場合
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 ④については、①と同様あまり現実的でないケースが多いので、⑤~⑦が実際の選択肢かと思います。
それぞれの違いは以下のようなイメージでしょうか。

正社員と有期社員の職務内容や能力等に大きな乖離がなく、これまでの正社員化が行われている企業様…⑤を選択
正社員と有期社員の職務内容や能力等に差はあるものの、育成することで人材活用を行いたい企業様…⑥を選択
正社員と有期社員の職務内容や役割を明確にわけており、今後もその方向である企業様…⑦を選択

 ①~⑦について主な法的リスク対応をあわせてあげましたが、法的なリスク対応は他にも必要となりますし、
法的なリスクはなくても組織上のリスク(人件費、モティベーション維持等)は当然に発生します。
それらを考えながら、ベストな制度設計を行いましょう。