【働き方改革①】働き方改革が目指すものは?

先日「働き方改革実行計画」が公表されました。
メディアでも多く取り上げられていますので、「働き方改革」という言葉自体は皆様にもそろろそ
耳慣れてきている頃ではないかと思います。
今回は公表された実行計画でどのような内容が示されているのかについてまとめます。

 

1.何を目指すものなのか?

そもそも、働き方改革とは何を目指すものなのでしょうか?
答えはシンプルで「日本経済の再生(成長)」です。
従来型の労働制度・労働環境(日本人の男性中心、長時間労働、企業戦士バンザイetc…)を
今後も継続した場合、少子高齢化の歯止めは効かず、生産年齢人口(≒税金を納める人)が
減少することは確定しています。
また、変わらない労働制度・労働環境の弊害としてイノベーションの欠如による
生産性向上の低迷、革新的技術への投資不足についても課題として述べられています。
(≒企業が成長しないので、法人税の納税額も増えない。)
このような状況を打破して、日本経済の再生をするのに必要なチャレンジが
「働き方改革」なのです。


2.働き方を改革するとなぜ日本経済が再生するのか?

今回計画の冒頭では、具体的に以下のような例を示して説明されています。

現在の労働制度における課題解決による効果

いわゆる正社員を中心とした「正規労働者」とパート・アルバイト等を中心とした「非正規労働者」の間に不合理な処遇の格差が存在し、非正規労働者の意欲をそいでいる。

不合理な処遇格差をなくすことで、非正規労働者も自身の能力が評価されることによりモティベーションがあがる。
→生産性が向上する。
長時間労働により、健康が損なわれるだけでなく、仕事と家庭の両立を困難にし、少子化の原因となり女性のキャリア形成を阻む。男性の家庭さんかも阻む。長時間労働を是正することで、女性や高齢者も仕事に就きやすくなる。経営者は限られた時間で成果をだしてもらうにはどうすればよいかを考えるようになる。
→生産性が向上する。
日本のキャリアパスは単線型で、ライフステージにあった仕事の仕方を選択しにくい。また、転職は不利になるという概念があり、労働市場がなかなか流動しない。転職が不利にならない柔軟な労働市場や企業観光を確立することにより、労働者が働きやすい企業、付加価値の高い産業へ流動する。
→国全体の生産性が向上する。

つまり、「働き方改革」が実現することで、生産年齢人口の減少という直接的な問題解決だけでなく、
生産性向上という企業にとっても分かりやすいメリットがあるというわけです。

3.経営者は何を選択すべきか?

今回の「働き方改革」の考え方が、いままでの労働環境、労働制度の考え方と最も異なるのは、
「企業視点」でなく「働く人の視点」がベースとなっていることです。
「働きやすい環境」を用意すれば「働く人が増え、働く意欲が高まるり、働く人の能力もアップする。」という
性善説にたった考え方と言えます。
これは、企業を経営する経営者にとって願ってもないことだとは思いますが、「そんなにうまくいかないだろう」
という経営者の方も少なくないでしょう。
「働き方改革」を実現するためには、多くの企業の場合、企業文化や風土を変えることが伴います。
経営者によっては、自身の「働き方や人材育成についての考え方」を一度否定しなければならないかもしれません。

従来の考え方で経営を続けるのか、それとも改革に舵を切るのか、経営者は選択することができます。

ただし、国が政策として推進することで、メディアも「新しい働き方」を多く報道し、社会の風潮は徐々に
改革推進に動いているように個人的には感じています。
また、今後様々な法令整備が行われていることで「改革しない派」の経営者にとっては、多くの足かせが
生じてくることは避けられません。
「うちには関係ない」「現実的でない」と即座に判断するのではなく、選択をより正しいものとするために、
少なくとも一度「働き方改革をするべきか」についてじっくりと考えてみてはいかがでしょうか。

【参考】官邸が公表した「働き方改革実行計画」

http://www.kantei.go.jp/jp/headline/pdf/20170328/01.pdf