【働き方改革③】同一労働同一賃金ガイドライン

先にご説明している「働き方改革実行計画」の中でも注目されている取組の一つとして
「同一労働同一賃金の実効性を確保する法制度とガイドラインの整備」があります。
法律の改正については、これから具体的に国会で審議されることとなりますが、
その立案作業のもととなる「同一労働同一賃金ガイドライン(案)」は既に昨年12月に
公開をされています。

【参考:同一労働同一賃金ガイドライン(案)】
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai5/siryou3.pdf

最終的に法律がどのように定められるかは分かりませんが、このガイドライン案を
ベースとして検討されることには間違いありませんので、どのような内容が記載されているか
ご案内したいと思います。

 

1.同一労働同一賃金とは?

ガイドラインの具体的な内容入る前に、まずは言葉の定義についておさらいしたいと思います。
まず、同一労働同一賃金とは、「性別、雇用形態、人種等によらず同一の仕事(職種)に従事する労働者は皆、
同一水準の賃金が支払われるべき」という考え方です。
例えば工場の同じラインで同じ作業を同じ時間で同じ量こなしているのであれば、社員だろうがアルバイトだろうが、
その作業に対する賃金は同額であるべきということです。
そういわれるとすごく当たり前のことのようですが、現在の日本の労働市場においては、
「アルバイトだから」という理由だけで正社員と比べて賃金に大きな格差があるということが現実として多々あります。
賃金だけでなく、「福利厚生が社員は使えるがパート社員は使えない。」「教育研修が社員には行われるが、契約社員には
行われない。」といった状況も多々見受けられます。
多くの場合「正社員は責任が重いから」などの理由により違いを整理していますが、労働現場の実態のフタをあけてみると、
それほど責任にも差がなく、待遇だけが違うということも少なくありません。
こういった格差を政府は「不合理な待遇差」とし、この解消を目指しているわけです。

また、同一労働同一賃金のお話しをしているとよく「均等待遇」「均衡待遇」という言葉も耳にします。
よく似た言葉ですが、意味合いが少し異なります。

均等待遇とは、労働関係において,労働者がなんら合理的理由によることなく労働条件等につき使用者から
差別的な取扱いを受けないことをいいます。つまり上記の同一労働同一賃金と同じ意味合いといえるでしょう。
一方均衡待遇とは、雇用形態(働き方)に応じたバランスのとれた待遇のことです。
今回のガイドラインでは、均等待遇だけでなく、均衡待遇も求められるものも多く掲載されています。

2.ガイドラインの具体的な内容
それでは、内容についてまとめたいと思います。尚、ガイドラインではいわゆる正社員を「無期雇用フルタイム労働者」と
表現しており、以下は「無期雇用フルタイム労働者」と「有期雇用労働者及びパートタイム労働者」を比較した場合を示しています。

①実態が同一であれば同一の、違いがあれば違いに応じた待遇が求められるもの
  

②要件が同一であれば同一の待遇が求められるもの
  

③要件によらず同一の待遇が求められるもの
  

これらは現段階では法令化されたものではなく、あくまでガイドラインとして示されたものです。
これからなされる検討により内容に詳細な変更が生じる可能性は十分にありますが、大きな方向性を示すものとして
参考にしていただければと思います。