【無期雇用転換制度⑦】就業規則作成のポイント①第二定年

改正労働契約法施行の平成25年から5年が経過する平成30年4月が目前となり、
無期雇用への転換申込制度に関するご相談が増えています。
これまで法的対策として「無期雇用社員の就業規則作成」をすることが重要とお伝えしていましたが、
より具体的な内容を知りたいというお声が多いようなので、すこし内容を踏み込んでご案内したいと思います。

1.第二定年とは?

いつからできた言葉かわかりませんが、この労働契約法18条の施行に伴い、
「第二定年」という言葉がよく使われるようになりました。
内容としては、現在ある定年(以降「第一定年」とします)に加え、もう一段定年を加えるというもの。
例えば、第一定年が60歳だとすると、第二定年を65歳と定めるといった具合のものです。
なぜ、そんなものが必要なのか?
それは、現時点での労働契約法に定年の抜け道(言葉が適正かはわかりませんが)があるためです。
平成30年4月までカウントダウンを迎えていますが、まだご存知のない企業様も
多くいらっしゃるようなので、ご説明したいと思います。

2.60歳以上の有期契約労働者は無期転換権を行使できるのか?

60歳以上の方は、無期転換権行使の対象外と思われている方も多くいるようですが、
60歳以上でも要件である「有期雇用契約期間5年を超える」という条件が整えば、
5年を超えた契約期間から無期転換権が発生します。
なぜなら労働契約法には60歳以上のかたを除外する規定がないからです。
例えば、58歳から有期雇用契約を開始し、5年間を経過し6年目の契約に至ると
すでに63歳ですが、ここでこの方が無期雇用転換申込を行うと、無期雇用に雇用転換を
しなければなりません。
この会社の定年が満60歳だったとした場合、63歳のこのかたは既に定年を超えていますから
定年が適用されず、「定年なし」ということになります。
「うちは、60歳定年で5年間の再雇用だから、65歳まで再雇用すればいいんだよね?」
という方もいらっしゃいますが、残念ながら違います。
65歳までの再雇用はあくまで、就業規則で規定された満60歳で定年を迎えた方が
対象となるのです。
尚、定年による再雇用の場合は、無期転換権を発生させない手続きがあります。
シリーズの②でご説明していますので、よろしければご確認くださいませ。

【無期雇用転換制度②】無期転換ルールの特例

 

3.第二定年はいつに設定する?

上記の理由により、第二定年を設定していないと、定年の無い従業員が現れる。
生涯現役で頑張ってもらえるのは良いことですが、会社によっては業務内容的に
難しいというケースもあるでしょう。
もともと無期雇用だった社員は65歳で定年なのに、有期だといつまでも働ける
というようなことも起こり得ます。
労働力が減少するなか、元気な高齢者にご活躍いただく方法を考えるのがベストですが
就業規則は良い条件には改定しやすいことを考えれば、現段階では一旦対策として
第二定年制度を設けておいた方が良いかもしれません。

では、第二定年は何歳がよいせしょうか。
第二定年の年齢を決定するにあたっては、次の要素を加味して決定しましょう。

①現在60歳以上の有期契約の従業員がどれくらいいるか?
②最高齢は何歳か?またその人数は?
③社員(既存の無期雇用者)の定年は何歳か?

60歳以上の有期雇用契約の方が多くない企業様については、社員の継続雇用が終わる
「満65歳」を定年としているケースが多いようです。
一方、現在も60歳以上の方が多く活躍されており、65歳以上の方も活躍しているような
企業様であれば70歳としたり、第二定年を65歳、第三定年を70歳とするケースも
あります。

60歳を超えて無期転換者については「無期転換後○年後を定年とする」といったような
個別定年制度を設けるという案もあるようですが、「それでは定年とは言えない」という
考え方もあるようですので、判例もない現時点では判断が難しいところです。
少なくとも、高齢者雇用安定法で雇用継続が定められている65歳までは働ける
仕組みにするというのが一つの目安では無いかと考えています。

自社の実態(従業員の年齢構成や業務内容)を精査し、ご検討ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
当事務所では無期雇用派遣社員の就業規則作成支援を行っております。
お気軽にお問合せください。

営業時間 平日8:30~17:30 
TEL 03-3454-5099 (不在時は留守番電話となります。)
MAIL info@toshima-sr.com