【女性活躍推進②】認定マーク「えるぼし」

女性活躍推進法にもとづく認定制度(えるぼし)

現在様々な認定やマークが存在しますが、女性活躍推進においても認定制度と認定マークがあります。
認定マークは3段階にわかれており、要件となる5つの基準の達成状況に応じて、
マークのレベルが決定します。(段階毎にマークのカラーが異なります。)

1段階目5つの基準のうち、1つ又は2つの基準を満たしている
2段階目5つの基準のうち、3つ又は4つの基準を満たしている
3段階目5つの基準すべてを満たしている

1段階目、2段階目において、基準を満たしていない項目については、2年以上連続して
その実績が改善されていることが求められます。

また、共通の基準として
・一般事業主行動計画を作成、届出、労働者への周知をしていること。
・上記5の基準について実績を厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」に
 公開していること。
・女性活躍推進法及び女性活躍推進法に基づく命令その他関係法令に違反する重大事実がないこと
などがあります。
認定にあたって必要な5つの基準は次のとおりです。

1.採用に関する基準  

男女別の採用における競争倍率(応募者数/採用者数)が同程度であること。

  具体的には直近3事業年度の平均した「採用における女性の競争倍率」×0.8が
  直近3事業年度の平均より低いことが求められます。
  対象となる雇用区分は正社員のみですが、正社員の中で総合職と一般職というように
  雇用管理区分が分かれている場合は、それぞれの区分において条件を満たさなくては
  なりません。

 

2.継続就業に関する区分

①「女性労働者の平均継続勤務年数÷男性労働者の平均継続勤務年数」が 0.7以上であること
      又は
②「10事業年度前及びその前後の事業年度に採用された女性労働者の継続雇用割合」÷
 「10事業年度 前及びその前後に採用された男性労働者の継続雇用割合」が0.8以上 であること

  こちらについても、対象となる雇用区分①と同様です。ただし、②の場合はそのうち新規学卒
  採用者等に限ります。
  ちなみに平均継続勤務年数は
  「「9~11事業年度前に採用した女性(男性)労働者であって現在雇用されている者の数」÷
   「9~11事業年度前に採用した 女性(男性)労働者の数」
  です。
  雇用管理区分ごとに算出方法が異なっても(例えば、総合職は②、一般職は①で算出する。)
  それぞれが基準を満たせば、認定基準を満たします。

 

3.労働時間等の働き方

雇用管理区分ごとの労働者の法定時間外労働及び法定休日労働時間の合計時間数の平均が、
直近の事業 年度の各月ごとに全て45時間未満であること
 「各月の対象労働者の(法定時間外労働+法定休日労働)の総時間数の合計」÷ 「対象労働者数」 < 45時間
    こちらで算出が難しい場合は、
[「各月の対象労働者の総労働時間数の合計」-「各月の法定労働時間の合計=(40×各月の日数÷7)×
対象労 働者数」] ÷「対象労働者数」< 45 時間

  雇用管理区分ごとの労働者の法定時間外労働及び法定休日労働時間の合計時間数の平均が、
  直近の事業 年度の各月ごとに全て45時間未満であること
  「各月の対象労働者の(法定時間外労働+法定休日労働)の総時間数の合計」÷ 「対象労働者数」 < 45時間
    こちらで算出が難しい場合は、
  [「各月の対象労働者の総労働時間数の合計」-「各月の法定労働時間の合計=(40×各月の日数÷7)×対象労 働者数」]
  ÷「対象労働者数」< 45 時間

  こちちらは、①や②とは異なり、契約社員やパートタイム労働者なども有期契約社員も区分ごとに
  算出する必要があります
  また、算出にあたっては事業場外みなし労働時間制、裁量労働制の適用をうける労働者や
  管理監督者等は除いて算出を行います。

4.管理職比率

①管理職に占める女性労働者の割合が別に定める産業ごとの平均値以上であること
   又は
②『直近3事業年度の平均した「課長級より1つ下位の職階にある女性労働者のうち課長級に昇進した
 女性労働者の割合」』÷『直近3事業年度の平均した「課長級より1つ下位の職階にある男性労働者
 のうち課長級に昇進した男性労働者の割合」』が0.8以上であること

  管理職とは、課長級以上の役職者とされています。もちろん、単に呼称が「課長」であれば良いという
  ことではなく、以下のように定義されています。

  「課長級」とは、以下のいずれかに該当する者
  ・事業所で通常「課長」と呼ばれている者であって、2係以上の組織からなり、若しくは、その構成員が10人以上 ( 課長含む ) の長
  ・同一事業所において、課長の他に、呼称、構成員に関係なく、その職務の内容及び責任の程度が「課長級」に相当する者
   (ただし、一番下の職階ではないこと)

  尚、産業ごとの平均値はこちらです。
  産業別女性管理職比率
  一部産業を除き、ほとんどの産業で驚くほど低い数値が並んでいますが、現時点ではこの数値をクリアすれば
   女性活躍の先進企業ということになります。

5.多様なキャリアコース

直近の3事業年度のうち、以下について大企業は2項目以上(非正社員がいる場合は必ずAを含むこと)、 中小企業は1項目以上の実績を有すること

A 女性の非正社員から正社員への転換(派:雇入れ)
B 女性労働者のキャリアアップに資する雇用管理区分間の転換
C 過去に在籍した女性の正社員としての再雇用
D おおむね30歳以上の女性の正社員としての採用

  正社員については、短時間正社員でも対象となります。
  30歳以上の女性の正社員の採用というのは、企業様によってはごく普通のことにも感じられると思いますが、
  そうではない企業様が現実には多数存在するということが読み取れますね。

 

認定の基準については「こんなに低いレベルで大丈夫なのか」と感じられる企業様と、
「とてもじゃないけとクリアできない」と感じられる企業様に大きく分かれるのではないでしょうか。
平成28年8月末時点で、認定されている企業数は145社ですが、その71%は認定段階3(5つの基準を満たす)で、
残りの企業も認定段階2(3~4を満たす)を取得しています。
つまり、もともと女性が活躍している職場にとっては決して難しい数値ではないということですね。
逆に現時点で基準数値にほど遠い会社にとっては、少なくとも3年がかりで取り組まなくてはなりません。

認定企業数一覧はこちら


認定マークの取得は、今後労働人口が減少するなか困難さを増す「優秀な人材確保」という面で
必ずプラスに働きます。
一般事業主行動計画の届出義務のない企業様であっても、計画を作成・届出し、その他諸条件をクリアすれば
認定の申請をすることができます。
競合他社との差別化のために、認定取得を検討されてみてはいかがでしょうか。
ご興味がある企業様は下記厚生労働省のパンフレットをご確認いただくか、当事務所へご相談ください。

認定取得のための厚生労働省パンフレットはこちら